伊賀の国、かつては「隠」と書いた「なばり」 明治以前、総鎮守社である「宇流富志禰神社」の神宮寺「晋応院」が有った場所。 今は住宅地のその奥に、隠れるように有るのが当山「慈唱院」です。
お越しいただいても、最初は見つけることさえ困難です。 立派なお堂も、すてきな庭園もありません。 プレハブの本堂には立派な調度品は有りませんが、私たちを見守ってくださる仏さまが居られます。 その仏様と向き合える空間が有ります。
今を一生懸命生きる人に必要とされる宗教を。 訪れてくれた人の心の重荷を少しでも軽く。 訪れてくれた人に少しでも安らぎや元気を。
求める祷りから、ありがとうの祈りへ・・・ そんな思いで始めたお寺です。
紫雲山 慈唱院(しうんざん じしょういん)
密教の中心仏「大日如来」が救い難い人々を導くために憤怒の姿をとって現れた仏様です。そのお姿は厳しいですが、心の中は大きな慈悲で満ちています。 我々の悪業を身代わりとなってその身に受け、火焔の中で燃やし尽くしてくださっています。 右手の剣は迷いや煩悩を断ち切る智慧の剣。 左の縄は悪心を縛り付けてでも仏の世界に導こうとするお誓いです。
詳細
5種の祈願(息災・増益・敬愛・降伏・鉤召) 全てにお力をお貸しくださいますが、殊に「敬愛」(縁結び)の信仰が盛んです。 縁とは、恋愛だけでなく、仕事や友人との良縁も含みます。 また、悪星の災いを打ち砕き、災厄を逃れるお働きもあります。 「煩悩即菩提」(ぼんのうそくぼだい)の心で、我々の煩悩を菩提(悟り)の境地に導く仏様です。
日本独自の仏様で、今から1300年前、白鳳時代に山上ヶ岳(大峯山)で修験道の御開祖「役行者」によって祈り出された修験道の御本尊です。 「権現」とは、仮の姿で現れたという意味で、本当のお姿であるお釈迦様・千手観音様・弥勒菩薩様3躰の慈悲の仏様が一つとなって、仮に憤怒のお姿で現れられたと伝わります。 この3尊は過去・現在・未来を表し、私たちの三世をお救い下さいます。
サンスクリット語の「チュンディー」(清浄)という意味を持つ仏様。 六観音では人間界救済の観音様とされています。 准胝仏母とも言われ、子授けや安産にご利益があります。 「清浄」のお名前の通り、体の病を癒す功徳も頂けます。 特に、「三七延命法」という秘法の本尊様でもあり、その福徳に応じて寿命を延ばして下さいます。 信徒様にも治る見込みのない病気の方がお陰を沢山戴かれておられます。
転貧富貴(貧しきを転じて富や身分を授ける)の御利益を下さいます。住職が修行中に吉野の滝より出現されました。 愛染明王・准胝観音・如意輪観音の三体の仏様が変化された仏様で、そのお姿は黒龍の上に立つ宝珠を手にした貴人の姿です。 黒龍は愛染明王様の変化で「煩悩即菩提」の徳を。 貴人は准胝観音様の化身で「人道守護・菩提清浄」の徳を。 宝珠は如意輪観音様の変化で「抜苦与楽・如意満足」の徳を其々表します。