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令和4年夏期入峯修行 ①集合~九十丁

8月20日から21日にわたって、当山恒例の夏期入峯修行を開催しました。
山上修行組は20日~21日の日程で吉野から山上ヶ岳の宿坊に宿泊して翌日に奥駈け道の一部を歩かせて頂いて、小篠から大普賢、笙の窟を経て和佐又に下るルートです。
大普賢修行組は21日の未明に慈唱院を出発して和佐又から大普賢を目指し、山上組と合流して和佐又へ下ります。

当初は山上組17名、和佐又組12名で修行の予定でしたが、男性・女性共に2名づつコロナの濃厚接触で直前に参加出来なくなり山上組15名、和佐又組10名での修行となりました。

参加出来なくなった4名は共に修行のお世話を頂く予定の奉行衆・・・
当初の隊列や配役を考え直さなければならないスタートとなりましたが、これも全ては権現さんのお計らい。
気持ちを引き締めながらも今年のお山を楽しんで行じさせて頂きます。

8月20日午前4時半 
参加者の皆さんが集合されます。
明日の大普賢組に預ける直会用の着替えの仕分けやお昼のお握りと差し入れの分配が奉行を中心に進められた後、
入峯の安全と行願成就を祈るお勤めが始まり、慈唱院本堂に入峯修行の装束に身を包んだ山上組の修行者と見送りのサポートをして下さる一行の読経が響きます。

お勤めの後、大先達を務める住職から奉行の紹介や修行の心得や注意点に関する話があり、いよいよ出発となります。
今回の山上組は総勢15名。
大先達、総奉行に奉行が3名
度衆(2度目以上の経験者)6名
新客(初めて入峯する者) 4名

ただ、度衆の内5名は前回悪天候のために行えていない行場がある為、今回行場を行って頂く事になります。

5時に慈唱院を出発して吉野山の本山金峯山寺で蔵王堂の朝座勤行に参座させて頂きます。
有難い事に講中の入峯安全を願文入句して御祈願頂きました。
蔵王堂前に整列して一同で今一度ご本尊蔵王権現様にご挨拶を終え、吉野山の町を徒歩にて別格本山東南院へ。

古来より一山の繁栄護持を祈念して本堂の巽(東南)の方角に一宇を建立する習わしがある中、金峯山寺一山の繁栄を祈念して御開祖役行者様によって建立されたお寺が東南院です。
山上蔵王堂(大峯山寺)の輪番住職を担う五ヵ寺ある護持院の一つであり、管長猊下の御自坊でもあります。
残念ながらいつもお見送り下さる管長猊下御夫妻はお留守で、留守番の御子息がお見送り下さいました。

因みに大峯山寺の五ヵ寺の護持院は
先程の東南院(金峯山修験本宗・本山金峯山寺)のほか喜蔵院(本山修験宗・本山聖護院)・桜本坊(金峯山修験本宗・本山金峯山寺)・竹林院(単立寺院)が吉野山に。
残りの一ヵ寺は天川村洞川の龍泉寺(真言宗醍醐派・本山醍醐寺)が担っておられて、其々が本寺とは別に山上ヶ岳に参篭所(宿坊)を構えて、山が開いている間の宿泊や行場の案内を行って下さっています。

我々は今年も山上東南院の参篭所にお世話になります。

東南院から先は再び車に乗り込んで上千本から奥千本、林道吉野大峯線を通って九十丁登山口へ向かいます。

勝手神社から吉野山の護持院、大梵天王社(小山神社)・宗信法印墓所・雨師竜王社牛頭天王社・夢違え観音・辰の尾集落・横川覚範首塚・八王子社(鷲尾神社)・吉野水分神社(子守宮)・閼伽井不動明王・修行門・金峯神社・
気抜け塔(蹴抜け塔)・母子堂・愛染宿・旧女人結界(青根ヶ峰)・・・

本来であれば徒歩で行じてお勤めを上げるべき拝所や靡を車中から早口で説明させて頂くも、きっと新客さんには何が何やらさっぱりでしょうね。
是非本山の蓮華入峯等に参加して、自分の足と五感を使って登って祈って、先達の説明を聞く機会を作って頂きたいと思います。

金峯神社を過ぎて暫く林道を走ると前方に四寸岩山が見えてきます。
古来は試み(心見)茶屋・50丁茶屋・守屋茶屋を経て四寸岩山頂上から足摺の宿へ下る道が本道でしたが、現在は四寸岩山への取りつきからもう少し先の階段を上って、新茶屋跡から四寸岩山を横駈けして足摺の宿へ向かう道を使う事の方が多くなっています。
我々は四寸岩山を左手に見ながらさらに林道を進みます。


                            すると足摺の宿から下ってきた奥駈け道が林道と合流します。
奥駈け道は林道を斜めに横切るような形で右手の山中に続いていきます。
この辺りが九十丁と呼ばれている場所です。
ここで快適な車とはお別れです。
配車のお接待をして頂いたお見送りの方々にお礼を申し上げ、隊列を整えていよいよお山に入らせて頂きます。


歩いて行じれば5時間余り、吉野から山上ヶ岳の道のりのおおよそ半分の行程を車に助けて頂きましたが、残り半分は自分の体を使って行じて頂きます。
吉野道での山上参りにはさらに林道を進んで五番関トンネルから登るルートが良く使われます。
九十丁から五番関は拝所も無く登りもきついのですが、お山での足運びや杖の使い方、何よりお山の《気》に馴染んで頂くために当山では原則此方から入峯させて頂いています。

次回からは峯中の様子をお届けします。

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