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令和3年 盂蘭盆会棚施餓鬼法要

今年の夏は梅雨明けの後、非常に厳しい暑さが続いています。本年もご先祖様をお迎えするお盆が近づいてまいりました。
お盆を間近にした8月8日に当山恒例行事であります「盂蘭盆会棚施餓鬼」の法要を執り行いました。
今年はコロナ感染予防を徹底し消毒液の設置、マスクの配布、窓をすべて開けての換気など、可能な限りの感染対策をさせて頂きながら準備をしました。

前日の設えの準備(朝から蒸し暑かったぁ〜)
壇の中央にお釈迦様に座っていただき、初盆の方 ご先祖さま、さらに三界萬霊の塔婆をたてご飯、お水、お花、果物などお供え物をお供えします。

院主は お塔婆を一枚一枚手に取りながら丁寧に仏様の前に並べていきます。覚えのある方のお塔婆をみつけるとその方との思い出話をしてくれます。そういえば、故人を思い偲ぶことも“供養”だと前に教えてもらいました。

お位牌を安置してある壁には 院主が描いた「十三仏」の掛け軸がこの法要のためにかけられます。

施餓鬼棚には餓鬼道に堕ちた霊に お花、お菓子、果物、お水、水の子(お米、茄子、胡瓜)のお供えを用意します。

棚に置いてあるカラフルな旗を見た事がある方もいらっしゃると思います。あの旗を施餓鬼旗といいます。木の棒に5色の紙で作られています。この旗に餓鬼や諸霊を集めて供養するためのもの。
棚にもこの五色の旗がかけられます。それぞれに仏様のお名前が書かれいますが この仏様が餓鬼を救い導いてくれるそうです。
基本、旗はみな手作りなんですょ。

私はこの法要の設えを見る度に「キレイだなぁ」って見惚れてしまいます。

法要は午前9時から始まり午後1時半までに七座修法させていただきました。

ちょっとココで院主の法話を‥‥
毎年この「餓鬼」の法話をしてくださいます。聞くたびに「優しく思いやりのある人になろう!」て思うのであります。

餓鬼とは生きている間に悪行や罪を犯したり、強欲で私利私欲ばかりで“餓鬼道”に堕ちた霊のこと。餓鬼となった霊はいつもお腹を空かせて目の前に食べ物がきても口が針の穴ほどしかなく食べられない。飲み物がきても火になって口にする事ができないそうです。でも、施餓鬼の法要をおこなうと お経に乗せられた食べ物や飲み物を口にすることができ餓鬼道から救われるそうです。施餓鬼をおこなった人は餓鬼に施すことで徳を積むことができるのです。

塔婆を建て仏様に手を合わせ感謝供養する事で仏様の慈悲をいただき徳を積むことができます。その徳をご先祖様、餓鬼に施す。そしてそれがまた徳として自分にかえってくる。巡り回る「回向」であります。院主の冗談をまじえながらの「お盆の棚施餓鬼」の楽しい法話でした。

施餓鬼壇では三界萬霊、餓鬼や諸霊をお祀りしておこないます。
お水、食べ物を施しお経を唱え菩提心を発するように促し成仏を願います。

すべての座が終了した時には汗だくでした。
今年はコロナ禍のなかにありながら皆様にお参りいただきました。皆様の深いご理解のもと、法要ができましたこと心より感謝いたします。

新型コロナウィルスに気をつけながらもご先祖様や亡き人に思いを向けながら ゆったりとお盆をお迎えください。

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